[林野庁]森林空間を活用した研修を導入

2025年6月、林野庁の若手職員向けに「森林浴を活用した研修」を実施しました。


林野庁は2019年、山村地域の活性化を目指し「森林サービス産業」始めました。

「森林サービス産業」とは

健康・観光・教育等の様々な分野で森林空間を活用した体験サービス等を提供することで、幅広い人々の健康で心豊かな生活や企業で働く人の活力向上等に貢献し、山村地域に新たな雇用と所得機会を生み出すことを目的としたもの。(林野庁 Webサイトより

全国の山村地域では、森林空間を活用したあらゆるサービスコンテンツを開発し、体験プログラムを提供しています。林野庁のホームページで「森林サービス産業推進地域」が紹介されています。

林野庁は、企業に各地のサービスを紹介しているので、林野庁でもやってみてはどうか。
そんな提案をしてから庁内で色々と検討を進めていただき、2025年6月、初めて林野庁の職員向けに、森林空間を活用した研修を導入いただきました。

林野庁の職場は、全国の森林がある場所に所在しており、山の中で働く人もいれば、霞ヶ関で働く方もいます。今回、研修の対象者は20代後半の若手職員の皆さん。
各地の職場から高尾にある研修所に集合し、1週間ほどの泊まりでの研修のひと枠をいただきました。

Shinrin-yoku Facilitatorと共に研修を企画

今回の研修は、Shinrin-yoku Facilitatorと一緒に講師を行いました。
場所は、都内の国有林、高尾自然休養林!
高尾は観光で人気の山ですが、コースがたくさんあり人の少ないルートもあります。研修に向けては、距離やコース、空間の魅力など、森林浴を行う環境として見合うコースをいくつもアセスメントしました。
6月ということもあり、雨の可能性も高いため、プログラムは晴れバージョン、雨バージョン、途中から雨バージョンなどあらゆるパターンを準備します。

当日のお天気は、しっとりとした雨。
前日からの雨で足元を心配しましたが、安全に歩けるエリアを選んで森にも行くことにしました。

研修は1時間ほど室内で「森林の新たな価値」について講義を行い、その後全員でバスに乗り込み森へ!

霧がかる幻想的な森で

林野庁の皆さんは、さすがに現場に向かう準備が早い!
カッパも靴も装備はバッチリ。
森林浴の効果や五感への刺激を実際に体験しに行こう。

霧がかる雨の森。普段は作業現場の森で、今日は目を閉じて自分の感覚を観察していきます。
雨音を楽しみ、木々の香りを味わい、肌で森を感じていく。
初めは現場作業モードだった皆さんもだんだんと表情が緩かになり、ワクワクと森を楽しんでいる様子。90分ほど霧がかった森を五感で味わったあとは、研修所に戻って振り返りです。

「こんなふうに感じても良いんだ!」

「幼い頃の記憶が蘇ってきて、わくわくした!」
「受講生同士、一緒に森に入ると話やすくて話が弾んだ」

振り返りでは、受講生それぞれが感じたことを絵に表現していただき、今の時代、森林はどんな価値がありそうか色々とディスカッションをしました。


「こんな体験をもっと多くの人に提供したい」
「里山は人々が集えるように活用し、奥山は静かに木々の成長を支えたい」など
色々なアイディアが出ました。

全国に広がる森林、未来に豊かな森をつなげていくため、これからも一緒に意見を交わし、共に歩んでいきたいと思います。
森と未来では、全国のShinrin-yoku Facilitatorと共に、森林浴を取り入れた森林の新たな活用を提案していきます。