これから考えたい“人と自然の距離”と役割
こんにちは。五月晴れの気持ちの良い日々、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
3月5日宮崎県での講演が中止になってから、6月までの講演や研修は全て中止となり、
あれから2ヶ月半が経ち、この生活にも慣れてきました。
むしろ、月の半分出張していた日々に尊敬すら覚えています。笑
そして今、この2ヶ月半を思い返しています。
全然仕事やってないじゃん!
という気持ちもあるけど、
コロナが運んできたのは、自分への問いでした。
「あなたの価値って何?」
そんな問いで悩んでる人がいたら、
生きてるだけで十分価値があるよ! と言ってしまいそうですが、
・あなたの仕事がなくなって、困る人はいるのか?
・あなたが家にずっといて、役に立てることはあるのか?
・あなたが何か発信して、救われる人はいるのか?
・あなたには何ができるの?
と、問われているような気がして仕方がありませんでした。
他人がなんと言おうと、自分は自分。
もちろんそうも思うのですが、
わたしは誰かの、何かの役に立ちたいという思いに情熱がわくんだなぁと改めて感じました。
講演の依頼が増えたり、新聞に載ったり、ラジオに出たり、
人前に出るということは、自分が商品になっていくことで
期待されるというのは、とても励みになっていたんですよね。
人の役に立ちたい、人に喜んでほしい、疲れている人を元気にしたい。
人のために、と思う人は
他人にエネルギーを分け与えられるくらい、自分にエネルギーがなくてはならない。
わたしはこう思うんです。
森で転んだ人がいたら、連れて帰る体力が必要です
落ち込んでいる人がいたら、受け止める心が必要です。
正直、4月は自分自身の心と体のバランスが安定しなかったので、
身体を整えること、自分にたっぷりエネルギーを溜めることに時間を注ぎました。
気持ちの良い時間を優先したり
こころが嫌がる情報は見ないようにしたり
イライラすることからは2秒で離れるようにしたり
徹底的に自分を優先した生き方をしてみました。
すると、心にエネルギーが溜まっていくのがわかります。
森のことが全くわからない人に、わかりやすく伝えたい。
もう一度、基礎知識を勉強し直すことにしました。
森のことは、勉強するのがとても楽しいな
その時、仕事だからではなく、わたしは森が本当に好きなんだなと思いました。
そう、わたしは森がとても好きで、人の役に立ちたいと思っている。
これは大きな価値だと気づきました。
好きって、知識よりもスキルよりも
強いエネルギーを生み出すことができると思うのです。
こだわりを捨てること、こだわりたいこと
元のように戻ったら、
そう考えるのは難しいのかもしれない。
誰しもが思っている中で、オンラインのビジネスが増え、静かに消えていくヒジネスもあります。
会場に集い、講演や研修を行ってきたわたしにとっても
今回のことは事業自体のこれからについて考えさせられるものでした。
春に予定していた、森林浴ファシリテーター養成講座
座学もフィールドの講座もあるので、座学はオンラインにしたら?という意見もありました。
ここで中止にするのは会社の存続に関わるし、オンラインで一部やってみようかな。
可能性を考えてみました。
しかし、五感や感性、コミュニケーションのあり方を重要視している私にとって
オンラインにしてやることで、異なる伝わり方をしてしまうのではないか、
という不安もありました。
結果、オンラインでしかできないなら、今年の講座はやらない。
という答えに達しました。
やってみるという選択ももちろんあるけど、
わたしは、この講座は “リアルにこだわりたい”という価値感を優先することにしました。
妥協してやるなら「やらない」という選択も、わたしは大切だと思っています。
10月に無事に開催できるよう、願っています。
ソーシャルディスタンス:主語は人間
地球のため、環境のため、森林のため
私たちは他の生き物と同じように地球に暮らしているけど
人間として生きていきています。
人間として安心して生きることができないと
地球や環境のことを十分に考えることができないようです。
不要不急の外出を控える。
▶︎これは人間にとっての不要不急です。
命より大切な会合、集会はない。
▶︎ここでいう命は、人間の命です。
そう、
他の生き物の事を考えるには、自分の命の安全が守られていないと、話は進まないのです。
人のために、というのと同じこと。
地球環境のことを突き詰めていくと
人間はいないほうがよいのでは?と思ってしまうことがあります。
しかし、人間として生きている以上
地球のいち生き物として、一緒に生きて行く方法を考えたい。
植物にとって、コロナはなんの被害もないこと。
森にとって、緊急事態宣言は空気がきれいになって
動物や虫たちが喜んで飛び回っていること。
彼らにとっては、願ってもない時間だったのかもしれません。
人が密集していると、ウイルスに感染してしまうと感じたり
人が近くにくると、身を守ろうと反応したり
私たちに与えられた”ソーシャルディスタンス”という新しいスタイルは
もしかすると、木々が人間に対して、普段から思っていることなのかもしれませんね。
相手との距離、互いに安心して過ごせる距離
これは、人と人だけでなく、人と自然との距離も同じ。
わたしは自然が好きだから、一緒に生きていきたいから、
遠すぎず、近すぎず、互いにとって快適な距離を考えていきたいです。
これからは、個人でも地域でも企業でも
森で何かやりたい、森林浴に使ってみたいという方を支援する事業も積極的にやっていきたいと思います。
ずっと家にいたからといって、一気に人が森に押し寄せたら、森も緊急事態宣言出しちゃいますから
私たちの命を守ることができたら、
森や自然の立場になって、人と自然の距離について考えてみたいですね。