泥は空から降ってこない。その川の源は。
台風19号の被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
台風19号では、全国たくさんの地域が被害に遭いました。
今もまだ、困っている人がたくさんいる現状に
わたしには何ができるのかを考える日々です。
今回わたしが暮らす東京でも大きな被害がありました。
近くを流れる多摩川が氾濫し、たくさんの友人が避難所に向かいました。
台風が去り、ニュースでは被害情報が連日報道されています。
こんな大きな被害をもたらす台風がこれから増えるのかなぁ。
そんな不安を感じている方も多いことでしょう。
地球温暖化。異常気象。気候変動。
詳しいことはよくわからないけど、何らかの影響がありそうだ。
少しでも自分が何かを感じたら、それは確かなこと。
詳しいことがわからなくても、今からでも遅くない。
一緒に考えて行こう。
詳しい人はマウントを取らず、同じ目線で考えてみよう。
ペットボトルは環境に良くない。
マイボトルを持とう。
と、ペットボトルを選ばないようにしてたはずなのに
台風が来るからと、水の確保を呼びかけ
ペットボトルの水を大量に買ってた私たち。
台風は雨と風が怖い。
窓が破れて飛び散らないように養生テープを貼った。
あれ?風より川の水がどんどん増えて、みるみるうちに溢れてきた。
川が氾濫したのは、堤防が低かったから?
貯水池が足りなかったから?
今回、全国各地で川が氾濫しました。
わたしが見た、濁流の川の水は、泥水でした。
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10月13日朝の多摩川
この泥水は、どこから来たんだろう。
川の上流にはダムがあり、そのまた源には必ず森があります。
水源林という森です。
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東京都水道局HPより
東京に届く水の源は、東京都奥多摩町、山梨県小菅村、丹波山村、甲州市の森から届いています。
森の働きって、人間には作ることができない、ものすごい働きがあります。
きちんと整備された森は、たくさんの水を森が吸収してくれます。
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森林の働き/林野庁
整備された森は、太陽の光が地面に届くので、根っこがよく育ち
土壌が流れるのを防いでくれます。
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森林の働き/林野庁
みなさんが見る森は、どちらの森が多いでしょうか。
左が、手入れがされていない暗い森
右が、手入れがされている明るい森です。
木は植えてから立派な森になるまで、最低でも50〜60年はかかります。
日本は戦争があった後に、焼け野原となり、森がなくなってしまいました。
家を作るために、火をおこすために、食材をいただくために、
わたしたちに必要だった木を、先祖はすぐに植えてくれました。
まっすぐ使いやすくて、育つのが早い木を
国の事業として全国に一斉に植えてくれました。
それが、針葉樹。スギやヒノキです。
戦後、70年がたった今、日本には当時の方々が植えてくれた木々が
元気に育ち、日本は、青々とした森の国になりました。
こんな日本の森のこと。
たくさん植えられた針葉樹のこと。
花粉症がひどいから、全部なくして欲しい!!
と思う気持ちもわかります。
しかし、今回のような台風の雨を吸収してくれる万能な機能を発揮してくれるのは
森林です。
今、林野庁が報告している調査結果では、適切な間伐や治山施設の設置を行い
下層植生や樹木の根の発達、山腹の崩壊の予防を図ることによって、
土壌を保持する能力や水を育む能力が良好に保たれると考えられています。
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森林整備保全事業計画の概要(令和元年〜5年度)/林野庁
たくさんの泥水が流れてきたということは、
たくさんの土が森から流れてきたということ。
土のなくなった森はどうなるのでしょう。
国土の約7割りが森林という国に暮らし
台風や地震も多いこの国に住む一員である以上
部屋の中でインターネットを眺めていても
何も変わらないことに気づかなくてはなりません。
川の水の氾濫を防ぐために堤防を高くすることだけでなく
水を吸収してくれる森を作ること(森を整備すること)
温暖化を防ぐための行動を起こすこと(二酸化炭素を出さない)
何か始めなくてはなりません。
今回何か感じたことがあった人と、まずは一緒に考えていこう。
今日もまだ水が出なくて苦しんでいる人がいること
家に帰ることができない人がいること
何かしたくて、元気が残っているならば
まずは災害ボランティアに行ってみよう。
自分の暮らす地域の川の水は、どこからきているのか
上流にある森は今、どんな様子なのか、確認してみよう。
台風19号のあと、わたくしの元には、私が関わる地域で支援を必要としている地域があれば
教えてください。手伝いに行ききます。という連絡が多数届いています。
仕事を通じて、活動を通じて、人と人が繋がります。
1人という小さな存在でも何かすることができる。
1人でも行動に移すことができるよう、わたしも頑張ります。