続く100年後の経営を考える。
100年後に結果が出る経営って、どんな時間感覚なんだろうか。
TIME FORESTプログラムを作りながら、ずっとそんな疑問を抱き
先日、速水林業さんを訪ねてきました。
速水林業さんは、1790年から尾鷲ヒノキを育て、歴代林業を行っている。
森に携わっている方で知らない人はいないであろう有名な場所。
林業は、木を植えて、育てて、伐って、木材を売る、お仕事。(超簡単に言うと)
種を植えて、野菜を育てて、収穫して、野菜を売る、畑で言えばこんな感じ。
ただ、この種を植えて、収穫する、までが50年、100年かかるのが林業
自分で植えても食べることができない。
今、木を植え育てている人たちは、100年後の収穫のために木を植え
100年前に植えられた木を今、伐っている。
3年後、5年後の未来が予測できない時代に
100年後に収穫できる経営を考えるって
どんな気持ちで今日の仕事をこなせばよいのだろうか?
考えてもわからず、、、
速水林業の代表速水さんがお話しされる講演を聞きに行き
それでもわからなくて、ラブコールをし、笑
大変貴重なお時間をいただき、速水さんの森でスペシャルなお話を聞かせていただきました。
三重県は尾鷲に広がる森
その森を歩くと、立派なヒノキがニョキニョキと育っていました。
30歳、50歳、100歳、200歳、250歳、といろいろな歳の木が森にいて
ヒノキだけでなく、中にコナラの木が生えていたり
足元は土が見えないくらい、ふっかふかにシダが育っていました。
人工林と聞くと、人工物のような冷たいイメージもつ方も少なくないと思いますが、
この森はとても優しくて、なんだか気持ちがいい。
木が一本一本元気で、森にはたくさんの鳥がいて
土を見ればたくさんの虫も住んでいる。
この森の人が植えた木は、嬉しそうに生きていました。
わたしたちが森へ入り気持ち良いと感じるのは
どのような癒し物質が出ているから、というよりも
そこで育つ木々がとても元気に生きてるから。
林業の話を聞いておどろいたのは、
一本の木材を山の上から伐って搬出するのに
この細い筋のような道から木を運ぶという。
「出来る限り森に負担をかけないようにすることを考えている」
と速水さん。
運び出した丸太の集まる場所に行くと、この木がこれからどこへ行くのか
どのような場所で使われているか丁寧に説明をしてくださいました。
お客様にお渡しする時に、手がひっかかったら怪我してしまうからと
丁寧に仕上げるお仕事に心を感じました。
*そして、ここでも農大林政の先輩が活躍されておりました!!
「よい森づくりとは、生物が多様である森をつくり
100年後を想像して、今日の作業をする」
深いっ!!!
便利を求めた人たちは、森から離れて都市へ行き
都市に疲れたと癒しを求めて森へ行く。
癒されるためにどうするか、何が私を癒してくれているのか、
そう考える前にまずは、一言
置き去りにしてごめんね。
と思える気持ちを思い出したい。
男「やっぱりお前がいいから俺と一緒にいてくれ!」
女「なんで?」
男「おまえと一緒にいると、癒されるし、文句言わないし、長く一緒にいてくれたし。」
女「嬉しいけど、その前にごめんねでしょ!!」
みたいな。笑
人が癒される森というのは、
木がとても元気に育ち、
生き物がたくさん集まることができる場所。
ふかふかの道は、私たちの膝に良いためではなく
虫が育ちやすく、木の根が踏みつけられないため
そんな森に行くと、身体は心地よく、気持ちがいい〜と感じる。
100年続く命は、
一緒に生きる方法を選ぶということ。
▲この木は230歳
独りよがりの選択は、この星に生きている限り続くことはない。
技術も発展も、自然を分かち合い、寄り添う心があるものが
元気に未来へと進むことができる。
続く経営の原理原則は、やっぱり森にヒントがあるようです。
よーし!!
速水さん、速水林業の皆様、ありがとうございました!!