森業ってなに?
2026年7月7日、東京・木材会館にて林野庁主催の「森業キックオフフォーラム」が開催されました。
「森業」という言葉が誕生して初めて開催されたフォーラム。
今回、貴重な機会をいただき、基調講演に登壇させていただきました。

さて、森業(もりぎょう)とは一体なんなのでしょう?
少し噛み砕いて、整理してみたいと思います。
2026年6月に閣議決定された「森林・林業基本計画」に森業という言葉が登場しています。
元を辿ると、2025年5月、農林水産省による地方創生の取り組み「地方みらい共創戦略」の中で、森業・里業・海業という言葉が誕生しました。
(当時の滝波 農林副大臣が名付け親です)
従来、林業だけでなく、農業や漁業などの一次産業は、「生産」と「販売」が中心でした。
しかし、人口減少や高齢化による担い手不足が進み、生産だけでは地域を維持することが難しくなっています。
そこで注目されたのが、地域の自然・文化・暮らしそのものを価値として活かしていこう!という考え方です。
その考えから生まれたのが、
・森林の価値を活かす「森業」
・農村の価値を活かす「里業」
・海洋の価値を活かす「海業」 という言葉です。
これらは、交流や体験、学びを通じて関係人口を創出し、地域経済を循環させることを目指しています。(海業は、森業や里業に先立って言葉が使われていたようです)
この戦略をきっかけに、森と未来も滝波副大臣からヒアリングを受け、当時の林野庁が行っていた森林サービス産業の事例として森林浴の取り組みについて紹介しました。
その後、林野庁の中に「森業推進室」が誕生し、森林・林業基本計画改定に向けた審議の中でも、森業をどのように位置付けるか、議論が重ねられ基本計画に入りました。
森業とは?
明確でわかりやすい定義はまだありませんが、私はこんなふうに理解しています。
これまで森林は、山側の人たちが木材を生産・販売することで、森林を維持・管理してきました。(林業)
これからは、山側の人だけでなく、森林の恩恵を受けているすべての人たちが、木材生産に限らない方法で、森の恵みを活かし、森林に貢献していく。(森業)
私は、この考え方こそが「森業」なのではないかと思っています。
森業の本質は「仕事の種類」を増やすことではなく、森林との関わり方を広げることにあるのではと考えています。
これまで私たちは、森の近くに暮らしていなくても、森から多くの恩恵を受けてきました。
(綺麗な空気や水、災害を防いだり、木の商品を使わせてくれたりね)
一方で、その森を維持・管理してきたのは、山村に暮らす人々であり、その中心を担ってきたのが林業です。
(林業従事者の数は4.4万人、4人に1人が65歳以上で、平均年収は全産業より100万円近く低い、このままだと厳しい!)
しかし、社会は大きく変化し、消費者のニーズや行動も変わる中で、林業だけで日本の森林を維持していくことは難しくなっています。
だからこそ、現代のニーズや暮らしに合わせて、一人ひとりが新しい森との関わり方を考え、森に貢献できる仕事や産業を生み出していく。
その考え方が、森業なのだと思っています。
森に関わる仕事はたくさんあって、楽しくて、嬉しくて、気持ちが良い!
森業を面白く!育てていこう。
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