森と今

森と今、わたしたちはどのような関わりがあるのか

まずは、森についてちょっと見てみよう!

森と林
森と林の違いって?

<広辞苑>
林:樹木が群がり生えたところ。
森:樹木が茂り立つところ。

はっきりとした区別がしにくいですが、森は木がこんもりと生い茂っている様相を表し
林は字のように同じような木が集まっている場所を示しているようです。
実際には、厳密な区別はないようです。

森の種類
人工林より天然林が良い森?

人が植えたのではない森が「天然林」、人が植えた森が「人工林」

森は人が植えたかどうかによって「天然林」と「人工林」に分類されます
天然林とは、地面に落ちた種が発芽したり、
根元や切り株から自然に芽が出たりして育った森のことです。
それに対して、人工林とは人が種をまいたり、押し木をしたりして育てた
苗木を植えてつくる森をいいます。

天然林と聞くと、人がまったく入っていないような印象を受けますが
必ずしもそうとは限りません。
例えば、天然林の1つに位置付けられている里山の場合は
人が薪や炭を得るために木を切った後はとくに植林は行われず
切り株からの更新で再び森が育ち、利用できる大きさに育ったらまた伐採する
というサイクルで利用され続けてきました。
人の手がまったく入らずに世代交代が繰り返されてきた森もあります
そうした森は天然林の中でも「原生林」と呼ばれて区別されています。

森林面積のうち、5割が天然林、4割が人工林、1割が無立木地(竹林など)です。

日本の森林の現状
日本の森林は多いの?

日本は緑にとても恵まれた国です。国土面積の約7割が森林に覆われており
世界で見てもフィンランド、ウェーデンに次いで3番目に
森林率(国土面積に占める森林面積)の高い、世界有数の森林国です。

世界の森林率
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出典:Vital Forest Graphics

森林の持ち主によって、呼ばれ方がことなり国の機関が所有する森林を国有林
(日本の森林の3割)その他、都道府県や市町村の所有する「公有林」(1割)や
個人や企業が所有する「私有林」(6割)に分けられます。

森林にはどんな種類があるの?

日本の森林は主に、サクラやカエデ、シイ、クスノキのように幅広い葉をもつ
「広葉樹」とマツやスギのように細長い葉を持つ「針葉樹」があります。
広葉樹にはカエデのように秋に葉を落とす落葉広葉樹と、シイやクスノキのように
葉を落とさない常緑広葉樹に分けられます。

広葉樹林:まるっこく、ふわっとしてる
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針葉樹林:つんつん、すっとしてる

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スギやヒノキなどの針葉樹は材として使いやすいので、人工林に多く使われ
針葉樹林が9割以上を占めています。
一方、天然林では広葉樹林が8割以上を占めています。

森林の役割
森林は私たちの暮らしと関わりの深い様々な働きがあります。(多面的機能)

①水を蓄える(水源涵養機能)
森の地面にはたくさんの落ち葉や枯れ枝が蓄積し、土の中には様々な生き物が暮らして
いるため森に降った雨はすぐに流れ出すことはなく、ゆっくりとしみ込んで地下水として蓄えられます。

②災害を防ぐ(土砂災害防止/土壌保全機能)
日本は山岳地帯が多く地形が急なので土砂崩れや鉄砲水と隣り合わせで暮らしています。
山が森で覆われていれば、木々や草の根が地面をしっかりと保持してくれます。

③二酸化炭素を吸収・固定する(地球環境保全機能)
森林は地球温暖化の原因となっている、CO2の吸収・蓄積や酸素の供給により地球環境を
調節してくれます。

④様々な生態系を維持する(生物多様性保全機能)
森林は、樹木や草、コケなどの植物だけでなく、菌類、土壌微生物、昆虫、鳥、など様々な
生き物の生育の場となり、森林は生態系や生物種、遺伝子を保全する機能があります

⑤木材を生産する(物質生産機能)
家の柱、家具、木材や紙の原料、キノコや山菜などの食べ物、薪や炭といった燃料、などに
利用されています

⑥快適な環境を作ってくれる(快適環境形成機能)
森林は蒸発散作用により、夏は気温を下げ、冬の気温を上昇させるなど気候を
緩和・調整しまた防風や防音などの機能により快適な環境を作ります

⑦文化や教育の場を作る(文化機能)
森林や森林が成立している山は様々な文化の背景・場となりまた信仰の対象にも
なってきました。

⑧森林浴、憩いの場を作る(保健・レクリエーション機能)
キャンプや山登り、ハイキングなど、森林は休養・レクリエーションの場も
提供してくれます